中小企業やベンチャー企業にとって資金調達は、企業経営から見た場合によっては非常に困難なハードルといえます。金融機関では不動産などの有体財産を担保として資金を貸し付ける手段が多かったため、このような金融機関から無担保で資金を調達するということは極めて困難です。しかし、資産のない中小企業やベンチャー企業であっても研究資金や商品化の資金を調達することは可能です。これには大きく分けて、知的財産を担保にして資金を借り受ける手段と、開発資金を補助金や開発委託金で調達するという方法です。
しかし、これらの資金調達を行うためには経営者の資質が大きくものをいってきます。どのような資金を調達するについても、その担保とする知的財産に客観的な評価のない場合には資金を調達することはできないわけです。よって、資金調達に先立っては、十分な特許情報調査が必要となります。他者の特許を調査して他者の技術と自社の技術とを冷静に比較して自社の技術レベルを評価し、その結果によって自社の商品力を評価しなくては資金提供者の同意を得ることはできないわけです。